XF16-55mm F2.8 R LM WR II(以下、16-55mm II型)は2024年12月に発売されたFUJIFILMの大口径標準ズームです。初代(I型)から約245g軽量化されて410gになり、最短撮影距離も0.3mに改善されました。今回はFUJIFILM X-T5に装着し、2026年6月のハウステンボスでの1日撮影(雨天含む)の作例をもとにレビューします。
全35枚を撮影し、そのうち開放f/2.8が23枚(66%)、テレ端55mmが10枚(29%)を占めました。天候は雨天で、日中から夜間のライトアップまで幅広いシーンで使っています。
開放f/2.8の描写:テレ端55mmの解像感
II型の大きな進化点が解像力の向上です。特にテレ端55mmでの開放描写は、I型と比べて明確に改善されているとの評価が多く、今回の作例でも中心解像の高さとピント面のシャープさを確認できました。

📷 FUJIFILM X-T5 | XF16-55mm F2.8 R LM WR II | 55mm | f/2.8 | 1/320s | ISO125

📷 FUJIFILM X-T5 | XF16-55mm F2.8 R LM WR II | 55mm | f/2.8 | 1/400s | ISO125

📷 FUJIFILM X-T5 | XF16-55mm F2.8 R LM WR II | 53mm | f/2.8 | 1/75s | ISO125

📷 FUJIFILM X-T5 | XF16-55mm F2.8 R LM WR II | 51mm | f/2.8 | 1/280s | ISO250
今回の撮影でテレ端55mm付近の写真が全体の29%を占めていたことからも、この焦点距離を自然によく使うレンズだと感じます。開放から信頼できる描写が得られるため、日中はほぼf/2.8で使い続けました。僕が開放が好きというのもあります笑
広角側の開放描写も確認しておきます。16mmや23mmは開放で若干の周辺光量落ちが見られますが、街撮りや建築物の撮影では許容範囲内です。

📷 FUJIFILM X-T5 | XF16-55mm F2.8 R LM WR II | 23mm | f/2.8 | 1/125s | ISO125

📷 FUJIFILM X-T5 | XF16-55mm F2.8 R LM WR II | 16mm | f/2.8 | 1/160s | ISO250

📷 FUJIFILM X-T5 | XF16-55mm F2.8 R LM WR II | 16mm | f/4.0 | 1/210s | ISO250
広角端16mm(APS-C換算24mm相当)はテーマパークのように広い空間を収めるときに活躍します。f/4まで絞ると周辺の解像感がさらに整い、全体的にすっきりした描写になります。
絞り別の描写変化:f/4から光芒まで
今回の撮影で最も多かったのがf/2.8の開放ですが、被写界深度を深くしたい場面ではf/4〜f/6.4に絞りました。絞るにつれて解像感は増し、遠景まで均一にシャープになります。

📷 FUJIFILM X-T5 | XF16-55mm F2.8 R LM WR II | 24mm | f/4.0 | 1/300s | ISO250

📷 FUJIFILM X-T5 | XF16-55mm F2.8 R LM WR II | 40mm | f/4.5 | 1/600s | ISO250

📷 FUJIFILM X-T5 | XF16-55mm F2.8 R LM WR II | 24mm | f/5.6 | 1/42s | ISO125

📷 FUJIFILM X-T5 | XF16-55mm F2.8 R LM WR II | 34mm | f/6.4 | 1/85s | ISO250
解像のピークはf/5.6〜f/8付近で、建物の質感や遠景の細部がよく出ます。絞り羽根は11枚(円形絞り)のため、玉ボケは円形を保ちやすく、背景のにじみも自然です。
夜景では絞り込んで光芒を出す撮り方も試しました。f/10〜f/22では光点から放射状の光芒が出て、イルミネーション撮影に向いています。

📷 FUJIFILM X-T5 | XF16-55mm F2.8 R LM WR II | 26mm | f/10 | 1/20s | ISO1600

📷 FUJIFILM X-T5 | XF16-55mm F2.8 R LM WR II | 23mm | f/10 | 1/13s | ISO1600

📷 FUJIFILM X-T5 | XF16-55mm F2.8 R LM WR II | 44mm | f/22 | 1/3s | ISO1600
f/10あたりから光芒が出始め、f/22まで絞ると低速SSになります。手持ちの場合はX-T5のボディ内手ブレ補正(5軸・最大7段)との組み合わせが効果的です。
AF速度・操作性と防塵防滴の実力
X-T5との組み合わせでAFは素早く、街撮りでAFが迷う場面はほぼありませんでした。LM(リニアモーター)駆動のため動作音は静かで、動画での使用にも対応しています。

📷 FUJIFILM X-T5 | XF16-55mm F2.8 R LM WR II | 29mm | f/2.8 | 1/1100s | ISO250

📷 FUJIFILM X-T5 | XF16-55mm F2.8 R LM WR II | 32mm | f/2.8 | 1/50s | ISO800

📷 FUJIFILM X-T5 | XF16-55mm F2.8 R LM WR II | 23mm | f/2.8 | 1/26s | ISO1600
この日は雨天で傘を差しながらの撮影でした。WR(防塵・防滴)仕様のため浸水は一切なく、雨の中でも安心して使えました。X-T5もWR対応なので、ボディとレンズ両方のWR仕様が組み合わさって雨天撮影の安心感は高いです。
II型から追加された「絞りクリックOFFスイッチ」も実用的な改良です。動画撮影時に絞りをなめらかに変化させたい場合に使えます。写真専用として使う場合も、操作の静粛性が向上しています。
重量は410gで、X-T5(約557g)との組み合わせで実測約970g前後です。I型(655g)から245g軽くなったことで、1日持ち歩いても肩や手首への負担が大きく減りました。
向いている被写体・シーン
35mm換算24〜84mmをカバーする焦点距離は、旅行・街撮り・テーマパークなど幅広いシーンに対応します。今回の撮影でも、建物の全景を広角で収め、細部を望遠でクローズアップするテンポの切り替えがスムーズにできました。

📷 FUJIFILM X-T5 | XF16-55mm F2.8 R LM WR II | 55mm | f/2.8 | 1/80s | ISO640

📷 FUJIFILM X-T5 | XF16-55mm F2.8 R LM WR II | 55mm | f/2.8 | 1/80s | ISO640

📷 FUJIFILM X-T5 | XF16-55mm F2.8 R LM WR II | 55mm | f/2.8 | 1/80s | ISO500

📷 FUJIFILM X-T5 | XF16-55mm F2.8 R LM WR II | 39mm | f/5.0 | 1/58s | ISO125

📷 FUJIFILM X-T5 | XF16-55mm F2.8 R LM WR II | 39mm | f/2.8 | 1/34s | ISO1600
最短撮影距離が0.3m(テレ端)になったことで、I型では難しかった料理や小物への寄りも可能になりました。旅先での食事写真やテーブルフォトにも対応できます。
反面、背景を大きくぼかしたいポートレートでは単焦点レンズに譲ります。超広角や超望遠もカバー外のため、1本で何でもこなすというより「旅行中はこれ1本で完結させる」という使い方に向いています。
同レンズで撮影したハウステンボス撮影記(2026年6月)も合わせてご覧ください。
総評
XF16-55mm F2.8 R LM WR IIは、I型の弱点だった「重さ」「最短撮影距離の短さ」「テレ端解像力」の3点を改善した、実用性の高い標準ズームです。410gという重量はF2.8大口径ズームとしては軽く、X-T5との組み合わせでも1日の撮影に耐えられました。
開放f/2.8から安定した描写が得られ、WR仕様で雨天にも対応できるため、旅行や街撮りでの信頼性が高いです。価格は17〜18万円前後と高めですが、「これ1本で旅行に出る」と決めるなら費用対効果は十分あります。FUJIFILMのレッドバッジシリーズの中でも、最も使用頻度が高くなる1本だと感じます。


コメント