XF16-55mm F2.8 R LM WR IIを持って、2026年5月に北九州を一日かけて撮り歩きました。皿倉山の山頂から小倉城のライトアップまで、朝から夜まで一本のレンズで通しています。このレビューでは、実際の撮影を通じて感じた描写の特性と使い勝手をまとめています。
IIになって最も変わったのは重さです。旧型の655gから410gへと245g軽くなり、一日持ち歩くと体感できるレベルの差があります。防塵防滴は引き継ぎ、絞り羽根は9枚から11枚に増えています。4,000万画素(40MP)のX-T5センサーに対応した光学設計になっているのも、IIへのアップデートのポイントです。
開放F2.8の描写——旧安川邸と室内での使用感
旧安川邸では自然光の入る室内と庭を中心に、ほぼf/2.8で撮影しました。ISO160でシャッタースピードは1/500〜1/950sという条件です。

📷 FUJIFILM X-T5 | XF16-55mm F2.8 R LM WR II | 27mm | f/2.8 | 1/750s | ISO160
27mmでf/2.8開放。ピント面の解像感はシャープで、背景はやわらかく落ちています。周辺部でも解像感の低下は気になりませんでした。

📷 FUJIFILM X-T5 | XF16-55mm F2.8 R LM WR II | 48mm | f/2.8 | 1/550s | ISO160
中望遠域の48mmでも開放でしっかりした解像感が出ています。11枚羽根による丸ボケは旧型と比べてより自然な形状になっているとのことで、実際に使っていてもボケがうるさく感じることはありませんでした。

📷 FUJIFILM X-T5 | XF16-55mm F2.8 R LM WR II | 18mm | f/2.8 | 1/750s | ISO160
広角端に近い18mmでは室内の奥行きを強調できます。逆光気味でもハイライトが不自然に飛ぶことなく、窓の外の明るさとのバランスをうまく保ってくれました。
絞り込んだときの描写変化——山頂と展望台で
皿倉山山頂と門司港レトロ展望台での風景撮影では、f/7.1〜f/10.0まで絞り込みました。X-T5の40MPセンサーはレンズの解像力の差が出やすいカメラですが、絞り込んでも解像感がしっかり保たれているのが確認できました。

📷 FUJIFILM X-T5 | XF16-55mm F2.8 R LM WR II | 32mm | f/10.0 | 1/450s | ISO250
f/10まで絞ると画面全体の解像感が上がり、遠景の細部まで丁寧に描写されています。40MPセンサーと組み合わせても回折(光が絞り羽根で回り込むことで画像がぼやける現象)の影響はほとんど感じませんでした。

📷 FUJIFILM X-T5 | XF16-55mm F2.8 R LM WR II | 41mm | f/7.1 | 1/1100s | ISO250

📷 FUJIFILM X-T5 | XF16-55mm F2.8 R LM WR II | 26mm | f/8.0 | 1/220s | ISO200
夕方の門司港をf/8で撮影しました。関門大橋や対岸の山口側まで、画面の端まで均一にシャープに描写されています。標準ズームとして十分な風景描写だと思います。
AF・操作性——朝から夜まで一日使い続けて
LMモーター(リニアモーター=音が静かで動きが速いAF駆動方式)によるAFは静かで速く、暗い室内や夕方の展望台でもほとんどストレスなく合焦しました。今回は一日で7か所を回りましたが、AFが迷って撮り逃した場面はほとんどありませんでした。

📷 FUJIFILM X-T5 | XF16-55mm F2.8 R LM WR II | 29mm | f/2.8 | 1/4s | ISO200
夜の小倉城でf/2.8、シャッタースピード1/4sの手持ち撮影です。「F2.8の明るさもあってなんとか手ブレもしなくて良かった」というのが正直な感想で、このレンズがなければISO感度をさらに上げる必要がありました。

📷 FUJIFILM X-T5 | XF16-55mm F2.8 R LM WR II | 18mm | f/3.6 | 1/6s | ISO200
ライトアップした小倉城を広角端で手持ち撮影。重量が410gに軽量化されたおかげで、朝から夜まで持ち続けても疲れを感じにくかったです。
向いている被写体とシーン
今回の北九州撮影を通じて感じた、このレンズが得意とする場面をまとめます。

📷 FUJIFILM X-T5 | XF16-55mm F2.8 R LM WR II | 26mm | f/2.8 | 1/800s | ISO200
旧三井倶楽部で窓から差し込む光をf/2.8で撮影しました。逆光気味でもフレアやゴーストが出にくく、室内の柔らかな光をそのまま写し取れます。歴史的建造物や室内撮影に向いています。

📷 FUJIFILM X-T5 | XF16-55mm F2.8 R LM WR II | 44mm | f/4.5 | 1/320s | ISO200

📷 FUJIFILM X-T5 | XF16-55mm F2.8 R LM WR II | 16mm | f/2.8 | 1/4s | ISO200
関門海峡ミュージアムの館内を広角端16mmで手持ち撮影。低照度の室内でも1/4sで手ブレが抑えられています。16mm(35mm換算で24mm相当)の画角はミュージアムや広い建物の内部を写すのに使いやすいです。
このレンズが特に向いているシーンをまとめると、旅行・街歩き(35mm換算24〜84mm相当の汎用性)、歴史的建造物や室内の自然光撮影、夜景・ライトアップの手持ち撮影、絞り込んだ風景・展望台からの撮影、といった場面でその強みが出ます。
総評
XF16-55mm F2.8 R LM WR IIは、旧型から「重さ」「近接性能」「ボケの質」が改善された標準ズームです。24〜84mm相当の焦点距離をf/2.8固定でカバーできるので、旅行や街歩きで一本のレンズで完結させたい場面に向いています。
単焦点と比べると開放時のボケ量や描写の個性は控えめですが、どの焦点距離でもコンスタントにf/2.8が使えるのは撮影の効率上、大きなメリットです。夜間の手持ち撮影や暗い室内での自然光撮影で、単焦点に頼らず一本で対応できます。
XF18-55mm F2.8-4との比較では、開放F2.8固定と防塵防滴が明確な差です。本格的に旅行撮影や夜間撮影をする場合はこちらを選ぶ価値があります。旅先で朝から夜まで一本で撮りきりたい人に、まず候補として挙げられるレンズです。


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